裏街道の賊2
「狭いのはわかっているが、自分達が悪いと言ってやれ」
盗賊から奪った馬車。幌を畳んで少しは広い感じにはさせるが、15人も乗せていると絶対に狭い。
「どうして私はこんな通訳ばかり……」
フィジが愚痴を言うが、一応は盗賊達に伝えているようである。
戦闘で死んでいないのにここで殺すことに抵抗があるのはユリアンネだけではなかった。ここに繋いだまま放置しても魔物の餌になるだけであろうし、解き放つと他人の迷惑になる。
仕方ないので港街セグンに連れて行くのだが、馬車を使うとどうしても足が遅くなる。
「2頭立てにしても、やはり遅くなるな」
カミラとフィジが二人乗りしていた戦馬ゾーンと、ゾフィの騎馬のハンクを馬車に繋ぎ、女性3人が御者台である。
「何人かがこのハンソク王国の言葉を話せるならば、先にセグンに状況を伝えにいけるのだけど……」
「そうだよな、もしフィジがいない間に巡回の衛兵達に見つかると説明が面倒だからな」
「それにしても、馬車がなければ森を強引に突き抜けて南下するのに……」
「馬車がなければ、予定通り次の街に向かうだけだから、考えるだけ無駄よ」
何度か同じような愚痴を繰り返しながら、東に戻っている一行。
「やった。この道は南に向かっているから、セグンに行けるかしらね」
「まぁ、森に来る前に通った分岐点に戻るよりは早くに行けるかもな」
来る時にも見かけていた、南に向かう分岐点が森の中にあり、そこから南下して森を抜けたところで野営にする。
「くそ!こいつらに食料を分けるなんて」
「そうは言っても、変に虐待したと衛兵に言われても面倒だし」
「こいつら、金が無いから、街の近くなのに干し肉だけで盗賊の待機をしていたんだぞ。そうさせてやれば良いのに、ジモの美味い飯を食わせるなんて」




