龍神
龍から荷物を見せるように言われて、ストーム達が前に連れ出した戦馬4頭。
「これを見せて貰おうか」
ブラックの乗馬に対して、巨大な前足のうち1本の爪を指し示してくる龍。
「あ!」
カミラが呟くが、確かにそこには龍神の彫刻を包み込んだ布の塊がある。
ブラック達もそれに気づいたようで、4人がかりで丁寧に馬の背から荷をおろして、梱包を解いて行く。
「ふむ。まさにこれだ。小さき者たちよ、いったいこれをどうしたのか?」
「は。ここから南方のオーガの村にありました」
尋ねてくる経緯がわからず、どこで怒らすかも分からないからか、なるべく簡潔に答えているストーム。そのおかげでシミリートたちにも分かりやすい言葉になっている。
「ふむ。これを貰うぞ」
「は!」
内心で、え!と思ったからか、カミラが両手で口を塞ぐが少し漏れているので、近くにいたユリアンネ達がカミラの方を向く。
「では!」
どういう仕組みなのか、地面の上で梱包を解かれていた龍神の彫刻が宙に浮いていき、龍神の右手の中に収まる。その後は静かにそのまま、すぅーという感じで上空に消えて行った龍。
はっと気づいて後ろを振り返るといつの間にかワイバーン達も消えている。
「いったい何だったんだよ」
「寿命が縮まったわ」
シミリートやカミラが言葉を漏らし出すが、ストーム達は龍が消えていった上空をいまだに見上げたままである。
「おい!」
流石にこれ以上はと思ったシミリートが適当なところで声をかけると、ようやく我にかえった彼らがこちらに振り返る。
「はぁ、これはツキノハラの皆への自慢話になるな」




