オーガ村からの帰り道3
山脈を抜けてツキノハラに帰る途中、ワイバーン達に追いかけられているシミリート達。目の前にさらに巨大な影が現れる。
「翼がない巨大な蛇……じゃなくて、龍神様!?」
蛇と言ってしまったカミラに対して指摘する者もいなく、戦馬の足を止めていく仲間達。
前方に現れた巨大な体は宙を浮いていても、尻尾に近いところが道を塞いでいる感じである。
後ろからは複数のワイバーン、そして正面にはAランクのワイバーンより上位の龍。翼のあるドラゴンとは別種かもしれないが、Sランク以上の魔物であることは間違いない。
いざとなれば戦って、女性だけでも逃がそうと考えているシミリートやジーモント達。
しかしツキノハラの男性陣達は違うようで、ストーム、ブラック、スカイ、サンダーの4人とも下馬して、龍の方に向けて少し歩き出し、そしてうずくまり頭を下げている。
「サンダー?」
「あなた達も馬をおりて、こちらに」
確かに龍はブレスを吐くこともなく、静かに宙に浮かんでいるだけである。戦いの気配は無い。
互いの顔を見て、そのまま馬をおりて前に進む。
戦馬達も、その主人がおりた後に逃げ出すことなくその場で静かに待っている。
「小さき者たちよ、その荷を見せて貰おうか」
「は?」
ユリアンネ達は、誰が話をしたのか周りを見渡すが、やはり候補は限られる。
「龍神様?……」
彼女達の戸惑いをよそに、ストーム達は立ち上がり自分達の戦馬達を前に連れ出す。
「これらのことでしょうか?それとも後方の馬達の方で?」
「こちらで良い」




