オーガ村からの帰り道
「ようやくオーガ村も片付いたな」
「皆様のおかげです。ツキノハラの恩人様にさらに恩を。何をもってお返しすれば良いのか」
「サンダー、かたいわよ。私達も貢献できて嬉しいわ」
「くそ、昨日にオーク肉を食べ切らなければ……」
「ヨルク、雰囲気を読みなさいよ」
ゾフィに叱られるヨルクは置いておいて、結局は巡回に出ていた残りオーガなどがオーガ村に戻る気配もないまま、その夜を無事に終える。
「じゃあ、またあの山脈を超えて、ツキノハラに帰るとするか」
目的も達成したので、シミリートが気楽に発言する。
拠点に使っていた木々も魔物達に再利用されないように燃やしておいてから、ここに来た道の逆順のため、山脈を北側に進んでいく。
唯一問題になったことは、龍神の彫刻が何故か魔法の袋にしまえなかったことである。
「魔道具だから収納できないってわけではないよな?」
「今までの魔道具は普通に収納できていたわ。もしかするとあまりに上級のものだと、ということもあるのかもしれないけれど、聞いたことはないわね。悪魔を封印したものですら収納できるのだし」
「じゃあ、どういうこと?」
「普通に考えられるのは、この龍神様の彫刻、もしくはそのどこかが生きている、ということね。生物は魔法の収納袋に入れられないのは常識だから」
「え?いや、だって……」
「シミ、生きているという表現も色々とあるのよ。普段動いているかどうかに関係なく。そう思うしか理解できないのよね……」
「ユリでも分からないことがあるのね」
「カミラ、私だってまだまだ知らないことは多いのよ」
そういう経緯があったので、龍神の彫刻は魔法の袋に入れずに丁寧に布で梱包して、ブラックの戦馬の背に載せている。
龍神の彫刻が元々入っていた箱は重いので、その箱は魔法の収納袋に納め、彫刻だけを梱包している。




