オーガ村の戦果3
カミラが取り上げた龍神の彫刻には、蛇のような胴体と鋭い爪の手足はあるが、翼は無かった。しかし、顔は厳しく角もあり、長い髭もある。
「なんか蛇に似ているわね」
「!カミラさん、いくら恩人といえども龍神様を侮辱するようなご発言は……」
「あ、ごめんなさい。悪気はなくて。私達の国でのSランク魔物のドラゴンは、ワイバーンとはちょっと違っても翼があるのが普通だったから」
「そうなのですね。我らの国の龍神様に翼はありません。その眷属のワイバーンは翼がありますが」
日頃は見せないサンダーの感情の変化を心配し、それ以上はその彫刻の容姿については触れないと決めたカミラ。
「こちらの球は如意宝珠と言われるもので、龍神様が爪で握っている姿を良く現されます」
「確かに、この貨幣の龍神様も右手で球を握っている感じね」
「はい。如意というのは“意のまま”に、という意味でして願いを叶えてくれると言われています」
「へぇ、この球がねぇ」
「この彫刻も、このように龍神様の右手で握られている意匠ですね。ここまで何かありそうな宝珠は初めてです」
ユリアンネが≪簡易鑑定≫で鑑定しても、何かの魔導具のようでありそうとだけわかる。
「じゃあ、さっきの炎の魔導具と思われるものと一緒に、ツキノハラに持ち帰って、鑑定して貰いましょう」
「よし!このオーガ村で目ぼしいものはこれで全部だな。じゃあ、ユリ、テア。それぞれの家屋を燃やしてくれ」
シミリートの合図で、村長宅にはオーガの死体を集めながら、各々の家屋を燃やしていく。
塀になっていた木々も壊したり燃やしたりして、少なくともすぐに再利用はできないようにしておく。




