オーガ村への接近
「この辺りになると、オーガとの遭遇もありえますので」
サンダーが注意喚起して来たのは、山脈を越えて麓の森にたどり着いたあたりである。
「今までは、少人数のオーガを発見して遠隔射撃を行っていたんだよな」
「はい、シミリートさんのご認識の通りです」
「サンダー、せっかく言葉を覚えてくれたのならば、もう少し砕けた口調になってくれたら良いのに」
「いえ、皆さんは我々ツキノハラの恩人ですから」
「なんか距離感を感じるんだよなぁ」
最近は通訳のための悪魔ギアマがいなくても、特にサンダーは通常会話に困らない程度になっている。
「じゃあ、これからどうしようか?」
「はい。できるだけ山脈側に逃げ出しやすいように、そこに拠点を構えます。そこに戦馬達も待機させ、偵察部隊が獲物を誘導して来て皆で殲滅する、というのが一番安全かと」
「俺たちはオーガと戦ったことがないから、まずはその方法でやってみようか」
まともに遠隔攻撃ができるのは、弓矢を使うゾフィ、ブラック・シャドウ、スカイ・ドリーム。それと土の精霊魔法使いであるストーム・ウォーカーと、もともと魔術を使えていたユリアンネとドロテアである。
「銅級のジーモント、カミラ、ヨルクは何かあっても困るから待機組に。同じように遠隔攻撃がメインでないサンダーも残って貰って、何かあったら対処を」
「分かったわ」
「で、俺とゾフィ、ユリ、テアの4人組と、ストーム、ブラック、スカイの3人組というのはどうだ?」
「シミの案は、慣れたメンバでということね」
「そうね。銀級の私達2人は別れた方が良いわね。私はストーム達の班に入るわ。留守番班ではサンダーが言葉も通じるけれど、こっちの班にギアマの通訳も貰うわね」
「ぐ……」
ユリアンネの饗応役であるストームの班にユリアンネが入るのは避けたいが、否定するほどの理屈もないので反対できないシミリート。




