陰陽師3
それからしばらくユリアンネは悪魔ギアマを通訳にして、陰陽師サン・アーチャーの邸宅に通い続けている。
ユリアンネの饗応役であるストーム・ウォーカーも同行しようとするが、初日と同様、ツキノハラの住民であっても陰陽師の技は秘密のようで許可が降りないとのことである。
「そうか、ユリアンネさんの饗応役はサンにすれば良かったか」
「ご冗談を。サンの年齢では……」
「分かっている。で、結局うまく行っているのは?」
「ドロテアさんに割り当てているサンダー・バードくらいでしょうか」
「ほぉ、あの男か」
村の幹部達の企みと関係なく、ユリアンネは陰陽師の呪符の運筆を習っている。
写本でも培った見本を真似る技術が活かされるのか、それなりに上手になったようである。前世で習字をしていたことも少しは効果があったのかもしれない。
「ふむ。後は、これが紙ではなく羊皮紙になったときの動作の確認だな」
「そうですね。でも、墨もあちらでは入手が困難です。インクと羽ペンで羊皮紙に書いた場合にも同様の結果が得られると良いのですが」
「そうか。では、今度はそのスクロールというものを逆に教えて貰えないだろうか。そこにヒントがあるかもしれない」
魔石を砕いて混ぜたインクで羊皮紙に魔法陣を書いてつくるスクロールを逆に教えるユリアンネ。
「この魔法陣というのはなかなか興味深い。なるほど、これとこれは同じで、法則性もきちんとある。これが火でこれが水か」
サンも、今までは他国との文化交流がなかったからか、このスクロールの製作にはまっていく。




