技術交流2
「これが漆の木なんですね」
昨夜の約束通りに悪魔ギアマを連れたカミラとゾフィが、それぞれ饗応役のブラック・シャドウとスカイ・ドリームも一緒に、職人達と森に来ている。
「こんな木はモンタール王国では見てないわね」
「他の木の陰になると生存できないですし、乾いた小石混じりの土壌でないとダメなので、育て方を知る人がいない土地では……」
「やっぱり簡単に真似できるものではないのね」
漆器が気になっていたカミラであるが、その素材を含めた技術を輸入することは難しいと諦める。
「このコウゾの木は、野生でも存在できますよ」
同じく、紙が気になったゾフィがその原材料であるコウゾの木を教えて貰っている。
「でも、紙を作る工程は大変ですよ。秋に葉が黄色くなって落葉する頃に根本から刈り取ります。そして蒸して皮を剥ぐのですが、これも熱いうちに剥かないと皮がまた引っ付くのです。それを寒い冬、雪の上で凍らせて黒皮を剥いで行き、それをまた雪の上でさらします。この白っぽくなった皮を煮込んで、水にさらして、ゴミや傷を取り除きます。その後、繊維をほぐしてネバネバのあるトロロアオイの液と混ぜて、目の細かいザルのようなものですいて行くのです。そうするとその平らなザルに繊維が積み重なっていって紙になっていくのです」
「聞いているだけで大変そう。今の話でも、すごく簡単に省いて説明してくださったのですよね」
「一足飛びに儲ける案は無いわよね。まぁ、もしあったら他の商人が取り入れてやっているだろうし」
「地道にやって行くしかないわね」
その後は、ゾフィが皮革職人らしく毛皮のなめす工程を互いに見せ合って工夫点を議論している。中でも、草木染めに関しては、いろいろな色の出し方の工夫で学ぶところがあったようである。




