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【書籍・漫画化】転生薬師は迷宮都市育ち  作者: かず@神戸トア
元薬学部受験生

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再び21階層

「なぁ、ハイオークの肉が食べたいんだ」

シミリートが次の休みに日帰りならばダンジョンに行けると言って来たので、行き先を相談していた際のヨルクの発言である。

「確かに買うと高いからね、ハイオーク。自前調達が出来るのならば安上がりよね」

「日帰りだし階層の入口近くで少数相手を狩れば良いか」

「それなら素材も多めに持って帰るように解体したいわね」

前回の21階攻略ではハイオーク肉の希少部位が中心でサーベルタイガーの皮革を低優先にしたので、ゾフィが今回こそはと考えている。


「シミ、衛兵はどうだ?訓練にはついて行けているか?戻って来ても良いんだぞ」

「ヨルクなりの励ましと受け取るよ。あぁ、何とかなっているかな。でもみんな鍛えていたから採用されているし、気を抜くことはできないな」

「じゃあ今日も武技の練習と行くか」

「そうだ、一つ教わった武技があるんだ。盾の≪挑発≫で、相手の敵意を自分に向けさせるんだ。人には効かないが、暴れている馬など相手なら街中でも使用することがあるらしい」

「おぉ、盾役には重要だな。ぜひとも習熟してくれ」

「任せておけ。ヨルクの斧に盾役は大変だからな」


カミラとジーモントの片手剣(ショートソード)が右腰にも増えたことに気づいたシミリートに、居ない間に毒を使用することになったことを説明する。そして21階層の入口付近で、2体までのサーベルタイガーやハイオークの狩りを開始する。

「やっぱり1人増えると楽だな。怪我も減るし」

「おいジモ!気を緩ませると、ハイオークにまで毒を使ってしまうぞ。食えなくなる!」

「あぁ気をつけるよ。うまい肉を食べるのも持ち帰るのも今日の目的だからな」

シミリートが盾を叩いて魔物を呼び寄せる≪挑発≫を成功させたときには、ジーモントにすら敵が行かないこともあり、1体だけを対象に発動する練習も行うことになった。


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ファンタジーな世界を楽しみつつ、地に足をついている日常生活の描写が心地良いです!
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