酋長への報告2
封印していた悪魔の不安が無くなったと言うことで、その封印の神像を次期酋長が取り戻して来たときより盛大な宴を催されることになる。
「皆が秘蔵の酒を持ち寄って来ると言っています」
「お米で作ったお酒よね。そんなに長く保存できないでしょうから、言葉のあや、よね」
「それが、芋などを原料にした蒸留酒が他にありまして。お米のお酒より倍ぐらい酒精が強いので、皆で飲むときには控えるようになっています。まぁ、今夜は特別ですね」
それは酔っ払いが大量発生する可能性があると言っているのと同じよね、とこっそり思ってしまうが野暮は言えないユリアンネ達。
「流石に海から遠いから刺身はなくても、この酸っぱく漬けたのは何だ?美味いぞ」
「酸っぱいって言っても腐っているわけではないのよね」
「この臭いも癖になるという人もいますが、私は苦手です」
「フェザーでもそうなのね」
前世で噂に聞いた鮒寿司のようなものかと思うが、納豆のように苦手な人が居るのも仕方ないと思える臭いである。
白いご飯と醤油を使用した煮込み料理、そして焼き魚と味噌汁というだけでもありがたいユリアンネ。前世では飲酒する年齢ではなかったが、今は日本酒と思われる米で作られた酒も楽しめている。
今回も“選ばれた盟友”の7人には饗応役が横にいて、そのゴザには集落の人達が感謝の気持ちをあらわすためか、その秘蔵の酒を持って注ぎに来ている。そのお酒の相手はヨルク達男性陣に任せて、料理に注力する女性陣。
「何よ、ジモったら。ピュアさんに鼻の下をのばしてばかり」
「あら、カミラもブラックさんからお酒を注いで貰っているじゃない」
「これは一緒に飲み食いしているだけよ」
どっちもどっちと思いながら、前世では味わえなかったお酒と珍味の組み合わせを楽しむユリアンネ。
翌朝、早ければ今夜にも酔い覚ましのための回復魔法を大量に発動する未来は忘れることにして。




