ツキノハラ酋長2
「シャドウ、よくぞ使命を果たした。手紙は先に届いておるぞ」
トリアンで出航制限になっていたので、陸路で手紙を送っていたのは何とか届いていたようである。
「は、父上。グレートベアから取り返したものはこちらになります」
シャドウが取り出したのは黒曜石の神像である。
「おぉ、まさに我らの神像。こちらに」
酋長の前に持って移動するシャドウ。
周りに座っている集落の幹部と思われる人達からもうめき声が聞こえる。
「こちらを取り返す際、そしてその前後でも我々を助けてくれたのがこちらの仲間達になります」
シャドウが振り返って“選ばれた盟友”の7人を示す。
「それはかたじけなかった。感謝しますぞ」
酋長であるシャドウ達の父が頭を下げ、周りの幹部達も頭を下げる。
「いえ、流れでそうなっただけです。頑張ったのはこの2人ですので」
シミリートが、何を言われたのか言葉は分からなくても雰囲気では分かったので返すが、その言葉はシャドウもフェザーも通訳をしない。
ただ、酋長も雰囲気でその返事が分かったのであろう。にこやかな顔になる。
「お礼にはならないだろうが、本日は盛大な宴としよう。神像と次期酋長の帰還である」
「はは。盛大な宴になるよう準備いたしましょう」
幹部の1人がそう告げて席を外す。
「して、皆さんはここでゆっくりできるのかな?」
「はい、父上。皆さんは武の心得もありますが、職人でもあります。我らの技術習得を希望しておりますが、こちらも学ぶことがあるかと思いますので、異文化との技術交流はいかがでしょうか」
「それは良い。どうしても集落に閉じていては発展しないので大歓迎である。いっそ集落の者と子をなしてもらうことはできないのか?」
「それは……」




