中継島の退去
「どうする?」
賊の生殺与奪の権をにぎらされて困惑する仲間達。
「俺としては殺したくない。犯罪者を無闇に殺さず、生かして反省させるのが衛兵の思考だ」
「そうね、戦いの中で死亡したならまだしも、生き残ったのを殺すのは。せっかく治療した相手もいるしね」
「シミとユリに賛成するわ。何となく後味が悪くなりそうだし」
生かすことになっても、食料や船のことについては問題が残る。生き残った賊を集めてシミリートが確認する。
「生きたいか?」
これには皆が頷く。猿轡をしているから声を出せないのである。
「お前達だけで、自分の船を操作できるか?」
何人か死亡しているため、船の操作に必要な重要人物が死亡した可能性もあるからである。しかし、これにも皆が互いの顔を見た後に頷く。
「では、必死で付いて来いよ。逃げたら死ぬだけだ」
武器は全て取り上げた上で、賊の拠点に向かい実際に港まで船を操作させてみる。手ぶらとはいえ反撃を受けた場合には撃退できるだけの人数を連れて行っている。
「食料については、私達が最低限のものを分け与えます。この島にあったものと、私達のこちらの袋に収納しているものを与えれば、2週間くらいは何とかなると思います」
そして、自分達の乗ってきた船の後ろにロープで結んで賊の船を曳航させることにする。
「食料は都度、こちらから送り届けます。もし海上で逃げ出しても生き延びられないことは分かりますよね?」
港で彼らの前に巨大な≪炎壁≫を作り出す。
「この人達のおかげで、この島に来るまでに遭遇したクラーケンやシーサーペントを撃退できたんだ。逆らおうとなんて考えるなよ」
アーロルフも賊に対して言いくるめてくれる。




