中継島の賊2
冒険者の治療が終わったところで、賊でも放置すると死亡しそうな者にだけある程度の治療を行っておく。
「あれを見たか?拷問をして怪我をさせても治療で戻すことができる。どういうことか分かるか?そうだ、いつまでも拷問を続けられるということだ。分かったな?」
「まるで私まで拷問好きみたいな巻き込み方をしないで欲しいわ」
賊に聞こえないところで愚痴を言いたくなるような、アーロルフの脅し文句であった。
脅しが効いたのか、元々仲間意識が低い集団だったのか、色々が分かったとアーロルフが結果を共有してくれる。
「この島を中継に使う船が激減してしまい、商売人が次々といなくなり警護の者達も居なくなったのを良いことに、賊が住み着いたということらしい。俺達みたいに、この状態を知らない奴が来たときに夜襲をして奪い取っていたそうだ」
「これから航路が復活したときのために、さっさと排除しておいた方が良いな」
「こいつら、島の反対側に船や拠点を隠しているみたいだ」
「ユリが見つけたやつだね」
「もう一つ、面倒なことを言いやがったんだ」
「そんなもったいつけて」
「こいつら、ハンソク王国の息がかかっているようなんだ。私掠船って知っているか?」
「なんだよ、それ」
「敵国の船を攻撃して略奪することをその国が認めた、ある意味でその国に属する海賊だな」
「それってその国の軍人、海軍とは違うのよね?私達は襲われたのを反撃しただけだから問題ないわよね?」
カミラが焦って確認する。
「もちろんだ。王国は略奪戦果の一部を取り上げるのに、守ることはしない。ただ、敵国の船から略奪することに対して、王国からは犯罪として取り締まられない。だから、ハンソク王国の港を安心して使うことができる」
「なんてひどいことがまかり通っているのよ」




