シーサーペント来襲2
「くそ、俺達にできることが無いままじゃないか」
シミリートは悔しがる。クラーケンのときにはタコの足に斬りかかったり槍を突いたりできていたが、それより魔物ランクは低いはずのシーサーペントに対して何もできない。
「いや、ユリが壁を作ったり遠距離攻撃したりしているだけで、普通ならその尻尾の振り下ろしや噛みつきの時に頑張るんだろう?タコの奴よりランクが低いってことは、鱗があっても体力や攻撃力が少ないのだろうから」
「そんな状態になったら船もやばいけれどな」
アーロルフが割って入ってくる。
「せめて私だけでも」
今までも回復で特に活躍していたドロテアも、今回は敵が2体いるのでユリアンネが対処していない方に対して攻撃に参加する。
そのつぶやきの通り、唯一習得している上級魔法である≪炎壁≫を、船から離れた海上に出ている尻尾もしくは頭部に目掛けて発動する。
ユリアンネはドロテアが攻撃しているのと違う方のシーサーペントの尻尾の根元に≪炎槍≫を発動する。
「あれ?こっちってさっきの奴なのかも」
今回の2発の≪炎槍≫で尻尾がちぎれかけただけでなく、口を開けて襲おうとした時に、口の中に火傷の気配があったからである。
その口の中に向けて≪炎槍≫を発動すると、倒せたのか逃げたのか、頭を出さなくなる。
それを見たからか、もう1体の攻撃が激しくなるが、こちらも≪炎槍≫を尻尾や頭部に当てると海上に姿を現わさなくなった。
「今度こそ終わりだと良いのだけど」
念のために魔力回復ポーションを服用して休憩に入るユリアンネ。
「あいつら、夫婦、番だったのかな」
「どうかな……」




