クラーケンの来襲後2
「肉ではないが、魚に比べて食べ応えもあるし、美味いな、これ」
ヨルクは、食事に出てきた茹でたタコが気に入ったようである。
「ヨルクはしょっぱい干し肉や魚に飽きただけ、では無いみたいね」
「確かに、歯応えがあるよな。一部のキノコや軟骨みたいだな」
「ふーん、確かに」
「これ、色々と料理のしがいがあるって、コックも分かってくれたみたいだぞ」
ジーモントもコックに色々と教えただけでなく、お返しに小技を教えて貰ったようで顔が緩んでいる。
船旅も続き、“飛魚”以外には新鮮なものが食事に出てこなくなったので、食感だけでなく味付けの意味でも皆に受け入れられたようである。
いつの間にか、女性部屋に男性陣も集まって一緒に食事をするようになってしまった。その方が情報交換もやりやすいので、着替えタイミングなどに気をつければ楽ではある。
「明るくなったし、クラーケンに痛めつけられた船体の確認をしていたらしい」
「ユリの火魔法で焦がしてもいないよね?」
「そんなこと。気をつけていたわよ」
「で、サブの方のマストが少し歪んでいたぐらいで、このまま走行するのに支障はなさそうらしい。その歪んだマストは金属板で補強しておくって」
「良かった。流石にこんな海の上でさまようことになったら大変だからね」
「そろそろ途中で寄るって島が近いんだよな。そこで補修もするのかな」
「私達は目的地に着けば良いけれど、船長さん達はこの船をいかに長持ちさせるかが、商売の利益に直結するから、港でちゃんと確認と補修などもするんじゃない?」
「じゃあ、陸上で少しはゆっくりできるかな。いい加減、この揺れるのにも慣れたけれど、やっぱり地面が恋しいよ」




