出発前のダンジョン攻略
「このままトリアンを出ていくと後悔しないか?」
「シミ、何のことを言っているの?」
「ダンジョンだよ、ダンジョン」
「確かに、せっかく迷宮都市トリアンに帰って来たのに最深階の更新もしないままなのも」
「でも22階って砂漠よね。巨蠍か」
「肉はうまそうじゃないよな」
シミリートが、まだ鉄級冒険者のヨルク、カミラ、ゾフィ、ジーモントの4人を銅級に昇格させてから出発したい意図と理解するユリアンネ。銅級昇格の裏条件である対人戦はこのトリアンでたくさん経験しているので良い機会だと考える。
「うーん、更新よりもハイオークの肉をたくさん仕入れて船旅に臨みたいかな」
「そうね、船旅もしんどそうだから、その前に熱い砂漠より草原が良いかな」
「昔に21階を何とか踏破したときより自分達がどれだけ成長したかの比較でも良いな」
本来の目的、仲間の昇格に対してならば22階でなくても良いので、シミリートは仲間の希望に合わせて21階への再チャレンジということで諦める。
「ちょうどあの時と同じで、南西から北東へ数日かかりそうだ」
「よし、今度こそ逃げ回らずに戦えるかな」
「ユリが本気を出したら私達の出番がなさそうだから、手加減してよ」
皆のやる気がいっぱいである。確かに内乱などで純粋な冒険者らしいことが出来ていなかったので、トリアンの思い出作りには丁度いいのであろう。
「じゃあみんな、実家に対して不在にする連絡をして来てね」
「シャドウとフェザーもごめんね。2人の帰国に向けた出発の準備などしておいてね」
「だいたい用意は出来ているから、私達も適当にダンジョンで魔物狩りでもしに行くわね」




