表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍・漫画化】転生薬師は迷宮都市育ち  作者: かず@神戸トア
元薬学部受験生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/921

晦日2

テントが溢れる広場では、宿に泊まれない、つまり風呂に入れない人の集まりでもある。魔物の少ない河川などで沐浴ができる階層もあるが、そうでない階層にこもっていた冒険者達も居る。

「あ、≪洗浄≫屋が居るな。ユリも水属性の魔法が使えるならば、あれは覚えられないのか?きっと儲かるぞ」

「便利だと思うけれど、知らない人を目の前に次々と魔法発動するのはちょっと……それよりもヨルクが受付をしてくれるなら風呂屋が良いかな。私は水を出して温めたら表に出ないで済むから」

「え?俺?」

「変なことを言うからよ。荷物の盗難防止とか色々大変そうだから、難しいわよ。やっぱり≪洗浄≫魔法が妥当ね。ユリ、覚えたらダンジョンで使ってね」


雑談をしながらたどり着いたガラクタ市はいつも以上の出店者と買物客でいっぱいで、露店もいつもの場所からかなりはみ出て広がっている。

「お、ドワーフかい?ならば分かるよな、この剣の良さ。買っていってくれよ」

ヨルクに声をかけて来たベテラン風の冒険者。広剣(ブロードソード)を見せてくる。幅広という名前ではあるが細剣(レイピア)に比較した表現であり、あくまでも片手剣である。

「うーむ。確かに良いものだが、少し傷みがあるな。とは言っても、まだまだ使える範囲で売るほどに見えないのだが」

「流石の目利きだな。だが、俺たちが潜る階層では、小さな傷みが致命傷になりえるギリギリの戦いをしているんだ。地上に戻ったときに出来ることはしておくんだ」

「なーに、格好をつけているんだよ。その階層で失敗したから宿に泊まる金も無くて、格落ちしてでも傷のない得物に買い替えるんだろう」

仲間らしき男から指摘を受けてバツが悪そうな顔をする。

「そんな階層に潜られていたのでしたら、入手された素材なども拝見できませんか?」

「まともな物は買い取って貰ったから半端だけだぞ」

ゾフィの期待通り半端な皮革を安く購入できたが、ヨルクは広剣(ブロードソード)を購入していない。

「どうして買わなかったの?」

「俺は戦斧だし、片手剣でもカミラには腕力の都合上、ショートソードのままが良いし、シミは職場か実家で与えられるだろうし。ジモに渡すのなら親父の作品の方が上手になるだろうからな。ユリアンネもわかっただろう?」

「そうね、高級品だけど下位だったわ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ