暗殺3
「さて、話を聞かせて貰おうか」
スラム街で捕縛した男達。中でも厳つい男と裏商会の男だけは眠らせて縛った上で、戦馬に荷物のように積んで急いで連れ帰って来た。
他の男達も別途持って行った台車に乗せて運ばれて来る予定である。
武器を抜いて命を狙った強盗殺人という扱いで犯罪奴隷への処理を行い、懐中の物を確認しながら尋問を行うマンファン達。
「これはまずいことになったぞ」
エードルフ・シャイデン男爵が、侯爵家の嫡男デレックの暗殺依頼を行ったというのである。証拠は口頭のみであり、犯罪奴隷にした男達の話は証拠にならない。嘘をつくことも強制できるからである。
「変なところにこの証人達は預けられないな。あの中隊長に腹を括って貰うしかないか」
マンファンは、出世を考えながら日和見をする自分の上司である中隊長を思い出す。
そして、シミリートを使って王国魔術師団のフェルバー中隊長との面談の場を設定させる。
「マンファン、やってくれたな」
「何のことでしょう?私の手柄は上司である中隊長の物かと」
「フン、こうなったら腹をくくる。嫡男派であるアーロルト・フスハイム子爵に連絡を取るぞ」
「承知しました」
それからの動きは、相手に準備をさせないための迅速さを求める。
すぐにフスハイム子爵にフェルバー中隊長を面会させて、嫡男デレックの暗殺準備の話を伝える。
「シャイデン男爵、どういうことか?証拠はこちらの手にあるぞ!」
国王を称するインガルズの前で、フスハイムがシャイデンを詰問する。
「フスハイム、明確な証拠はあるのか?それが提示されないこの場ではここまでに」
「承知しました」




