裏商会3
「まったくどういうことなんだ!」
癇癪を起こしているエードルフ・シャイデン男爵。
ストローデ領の独立騒動を裏で仕切っているつもりの彼だが、その力の源である裏商会や闇ギルドが次々と壊滅していくのである。
怪しいことにも使える裏での上納金などの経済力だけでなく、武力としての闇ギルドのメンバが居なくなることで、表向きの寄子騎士団の者達だけになっていく。
そうなると、男爵でしかない彼には、このストローデ領で爵位が上でも馬鹿にしていた子爵である独立反対派アーロルト・フスハイムや中立派ターナタン・ラウエルスの勢力が無視できなくなる。中立派のマーヌート・ザルツラー男爵も同格だが意識が必要になる。
今まで裏金、裏での武力に頼ってしまっていたシャイデンには、通常の貴族らしい言葉の駆け引きはそれほど得意でなくなっている。
「ではシャイデン男爵は、目撃されたモンタール王国の騎士団に対して何の打ち手がないと?」
「ビザリア神聖王国が王都シャトニーに向けて攻め込んだのも失敗して撤退したと聞こえて来ましたが?南方の真モシノム大公国との戦争は継続のようですが、神聖王国との共闘ができないのであれば、このストローデに向けて王都から軍勢がやってくるのでは?」
「いえ、まだモンヴァルト山脈の魔物達がおりますので」
ビザリアのことを共有するタイミングをミスしてしまったことで、領主代行だったインガルズを国王にたてた独立派のNo2としての立場も悪くなる。
曖昧なうちに会議を終わらすことは出来たが、インガルズに叱責されるシャイデン。
「どういうことだ?このままでは甥のデレックを担ぎ上げて、この俺を犯罪者としてモンタールに差し出すことでストローデを守ろうと考える者達が出てくるのではないか!?」
「は、そんなことには……」
「いや、もうこうなっては。兄インリートとその嫡男であるデレックの命を貰い、このストローデのなかを一本化しないと。いいか、絶対に失敗するなよ!」




