大捕物の後始末
「ふむ。ま、まぁ問題ない動きであったな。その旨を上にも報告しておく」
「ありがとうございます。この度の北部旅団のご協力には大変感謝している旨もあわせてお伝えいただけましたら」
マンファン分隊長が北部旅団からの目付に対して、丁寧な口調で追い払っている。
「いや、みなさん、本当に流石ですね。ありがとうございました」
「明らかに驚いた顔をしていましたよね。北部の甘ちゃんたちではこの戦場に参加できなかったでしょうから」
「まぁセレス、そういうな。戦果もしっかり我々が貰うし、良いじゃないか」
この度に捕獲した“闇ギルド”のメンバも連れてきた奴隷商によりすぐに犯罪奴隷にして、東部旅団が連れ帰ることになっている。
人的証拠の確保だけでなく、屋敷の中にある書類などもシャイデン男爵との繋がりを含めた各種証拠になる期待がある。
「早くシミに復帰して貰って、この書類チェックを手伝って欲しいよ」
「セレス、バカを言うな。今回はシミが冒険者のままだから色々と助かっていることも忘れるなよ」
「ははは。すみません」
マンファン分隊長とセレスラン班長に対し、シミリートは笑って誤魔化している。
「一体どういうことなんだ!最近お前たちからの上納が減ったと思えば、拠点が次々と潰されているだと?」
「はい、衛兵団の東部旅団が急に活発に動き出しまして」
「何?独立宣言のすぐ後にも邪魔ばかりしていたじゃないか。あそこには鼻薬を嗅がせたのが大隊長でいただろう?」
「はい、どうもそれよりも下の規模で動いているようでして」
「そんな少数にやられ続けているのか?“闇ギルド”も地に落ちたな」
「もう一つ……」
「何!あの屋敷まで!?あそこは俺の裏商会経由でお前たちに拠点提供をしていたところではないか。馬鹿者!」
大捕物のあった夜、トリアンの街のとある屋敷で、エードルフ・シャイデン男爵が癇癪を起こしていた。




