メイユの朝
「ユリ、大丈夫か?ちゃんと寝たのか?」
「少しは、ね。でも写本は終わらせたわよ」
「おいおい、そんな急がなくても。ニキアスさんは、護衛業務を引き続きどうだ?と言ってくれているのに」
メイユの宿屋で朝食を食べている“選ばれた盟友”の7人。
「だからこそ、それが制約になって皆がどうするか自由に決められないのは嫌だし」
「そうか。ということで、みんな意見は決まったか?」
「冒険者ギルドへ、フスハレからの書状は届けたのよね?反応はどうだったの?」
「あぁ上司っぽい人に渡して読んで貰ったから、ちゃんと上の方、ギルドマスターたちにも伝わっていると思うぞ」
「じゃあ、モンヴァルト山脈を越えて来たことも聞かれた?」
「いや、何か聞きたそうにしていたが、こちらが言わないならば、という感じだったな」
「ユリ、どういうこと?」
「王国魔術師団が山脈を下りて来たことは冒険者たちも見ているわよね。それと、その書状の話も知った冒険者ギルドの上層部。きっと代官館にも伝わっているのに、今朝まで何も起きていないわよね。使い魔に宿の外を見張らせていたけれど、こちらの様子を探りに来た人たちも居なかったわ」
「寝ないでそんなことしていたの!?まぁでもありがとうね」
「で、ユリ。つまりどういうこと?」
「……。少なくともメイユの街は、独立宣言やトリアンの動きに対して積極的な賛同はしていないって感じね。前にエックハルトさんたちが話していたみたいに、ストローデ領でも一致団結しているのではないみたいね」
眠そうに食事を続けるユリアンネ。
「じゃあ、魔術師団の人たちがトリアンに向けて進んでも戦闘にならない可能性があるんだな」
「確約はできないし、全員では街には入らない方が良いでしょうけど」




