山脈での別れ
吸血鬼のダニロも片付けたことから、あとは地龍がほとんどであり、たまに飛龍も襲ってくるがエックハルトたちだけでなく魔術師団員たちも奮闘することで、順調に東へ進む。
特にドレイクはかなりの数を倒したところで、ようやくこの谷間の東の端が見えてくる。
「おぉ、東の空が見えたぞ!」
「やったぞ!」
まだドレイクと戦闘している者もいるが、いつ終わるかと思いもしたこの山脈越えの難所を通り過ぎる見込みが立ったので皆の顔が緩む。
「切りがついたところで、冒険者の皆様は西に戻ってください」
唐突のニキアスの発言に驚く一同。
「もう少し付いていくぞ」
「いえ、ダメです。いつまた魔物が湧いてくるかわかりません。少しでも安全なうちにお戻りください」
貨幣が入っていると思われる布袋、そして依頼達成のサインをした物をシグランに渡しているニキアス。
「残りは冒険者ギルドで受け取って皆さんで分けてください」
「仕方ないな。じゃあな、それなりに楽しませて貰ったぜ」
エックハルトがニキアスと、その近くにいたユリアンネとシミリートたちに挨拶をしてから西に戻り出す。
「エックハルトさん、待ってくださいよ。俺たちは歩きなんですから」
「エック、帰るまでが依頼だからね」
シグランに念押しされながらエックハルトが皆と進む。
「私たちも油断できませんよ。人数が減りましたから」
戦闘中であったドレイクにとどめをさして回収するのを確認し、魔術師団員たちと“選ばれた盟友”の二十人ほども騎乗で東に向かう。
「おぉ、これがストローデ領か」
谷間が終わり、後は下りだけとなった場所で、ストローデ領を見下す一行。魔術師団員たちにすると、独立を宣言したある意味で敵地にようやく乗り込むわけであり、再度覚悟を決めているようである。ユリアンネたちは迷宮都市トリアンの家族たちを思い出しているのと対照的である。




