ハイオーク
「今度はハイオーク3体よ。どうする?」
「接近するまでに遠隔攻撃で1体を倒し切るぐらい集中攻撃を。残り2体を盾役2人が受け持つ」
22階への階段を目指してまっすぐ進むなか、ゾフィが敵を発見しシミリートが対処を念押しする。今まで通りであっても口にすることで意識の切り替えができる。
豚のような顔で太った人型の魔物がDランク魔物のオークである。その上位魔物であり、さらに体格が良くなり筋力なども向上したCランク魔物がハイオークである。オークは美味しい豚肉と言われており、ハイオークはさらに美味と言われるのだが、魔物としての脅威ランクも上がっており、オークよりそれだけ高額で流通している。
ユリアンネは先のサーベルタイガーで≪火炎≫数発が必要であったことを踏まえて、討伐証明や素材のことは考えず顔などの急所を狙いつつ魔法発動の間隔を短くする。
そして予定通り接近する前に1体を倒し切ったところで、シミリートとジーモントが盾を持ってハイオークそれぞれの前に飛び出し、先ほどと同じ役割分担で残る2体に対峙する。
先ほどと違い特にジーモント側は無傷のハイオークに近接が1人であることから、ジーモントはさばき切れず、片手剣で攻撃しようとした右腕や盾で防げなかった足元をハイオークの大鉈で傷つけられてしまう。
「ジモ!大丈夫!?」
薬瓶を取り出そうとしたユリアンネに対して、ジーモントが答える。
「大丈夫だ!先に倒してから回復してくれ!」
ジーモントを気にし、≪火炎≫の発動間隔をさらに短くしたいが、味方への巻き添え攻撃も怖いので丁寧にハイオークだけに炎を当てるように集中したことで、シミリートたちが対応しているもう1体より少しだけ早めに倒し切ることができた。




