クロリスからの急報3
王都に帰宅したその日はトリアンに向かう手段などを棚上げしていったん寝ることにしたユリアンネたち。
しかし目が覚めてもやはり気になる。
「ドロテアはどうする?ここで別れるのでも良いのだけど」
「そんな。身寄りもいませんし、今さらビザリア神聖王国にも戻れませんので、ぜひ今後も一緒に」
酷い奴隷扱いもされないし、ユリアンネから魔法の指導を受けているドロテアにすると放り出される方が心配なのかもしれない。
「じゃあ、何にしてもトリアンに帰るならば、この借家は引き払うか」
「そうね、仕方ないわね。だいぶ慣れたし良い家だったんだけど」
「店舗経営はうまく行かなかったけれど、これからだったのに」
「じゃあゾフィは残るか?」
「……いいえ、お母さん達が心配だから帰るわ!」
どの軍勢に参加するのかしないのか、どの経路で帰るのか、まだ決められていないが、身辺整理する必要があることだけは間違いない。
生産活動の在庫や作りかけだった素材なども売れる物は全て処分するが、ユリアンネのポーションやスクロールは行き先でも必要になると思われるので、それらの素材だけは逆に大量に仕入れるつもりである。
また、先日の戦いの中でユリアンネとドロテアは矢傷を受けた時にローブに穴が空いているので、お揃いに黒色のローブを購入して来た。
「あら、良いじゃない。長距離移動するのだし、私たちもお揃いにしましょうか」
ローブは、近接戦闘の際に邪魔になるので、魔法使いなど激しい動きを想定していない、逆に腕や手などの動きを悟られにくくする戦い方の者に好まれる。しかし、旅の際には日除け、風除けも含めてどのような戦い方の者にも重宝されるので、この際に7人お揃いにしようというのである。
「同じ冒険者パーティーらしくなったかしら」
「というよりクランっぽいな」
先に不安がある中で、少しだけでも明るい話題に皆が無理して付き合うのが辛い。




