槍魔法の考察
ユリアンネはクロリスから預かった≪火槍≫の魔導書の写本を行いながら、槍魔法の考察を行う。
刃魔法、壁魔法で他属性を考察したのと同様である。
攻撃力を踏まえると、火風水土光闇の6属性のうち、風、光、闇の3属性については実体がないのもあり、戦闘でダメージを与えられるイメージが湧かない。
壁魔法と同様に、水属性でも氷、土属性でも石ならば効果があると期待できる。
≪火槍≫ignis-hastaの応用で、≪氷槍≫glacies-hastaと≪岩槍≫lapis-hastaである。
さらに、火ignisより強力な炎flammaの≪炎槍≫flamma-hastaも想像される。
「シミ、また今度、森の近くに一緒に行って貰えるかな?」
前回の壁魔法のときを踏まえて、皆が市場に出店しているときにシミリートと一緒に練習に向かう。
「おいおい、なんだよそれ!」
シミリートが驚くように、槍魔法は≪火槍≫≪氷槍≫≪岩槍≫いずれも上級魔法に相応しいだけの攻撃力であった。
ユリアンネの攻撃魔法といえば今までは、≪炎壁≫などの壁魔法を除くと、中級の≪火炎≫か≪氷刃≫であった。あとは初級の≪火球≫≪石球≫などである。
それに対して、例えば≪氷槍≫や≪岩槍≫はかなりの破壊力であった。また、≪火槍≫も≪火炎≫に比べて攻撃箇所が集中していることもあり、狙った場所の被害は比較にならない。
ただ、他の壁魔法と同様に上級魔法であるので、それだけの魔力消費もあり、ユリアンネは練習を繰り返すために何本もの魔力回復ポーションを飲んでいる。
最後に念のための感覚で≪炎槍≫を発動させると、他の槍魔法よりもさらに驚異的な攻撃力とわかったが、消費魔力も必要な制御力も半端ではなく、これは上級の上、王級魔法ではないかと推測できた。
「この魔法があればハイオークキングももっと楽だったかもな」
「私が持たないわよ……」
使いこなすには更なる練習が必要と認識するのであった。




