グレートベア
「まぁそちらの事情は置いておいて、まず俺たちが聞きたいことを教えて貰おうか」
グレートベアの喉に、シミリートがダガーを突きつける。
「この近くのポルダ村から略奪をしていたのはお前達だな?それと他の仲間達はどこだ?」
「……」
「ふーん、答えないならば。このポーションが見えるか?いくらでも治療してやれるから、どんどん傷つけても良いんだぞ。それともお前にしようか?」
グレートベアが答えないので、別の男の顔にダガーを近づける。グレートベア以外は猿ぐつわをしているため、その男も唸る以上の声を出せない。
「わかった。話す……」
結果として、これ以上の仲間は居ないこと、そしてポルダ村から食料などを巻き上げていたのはこの男達であることが確認できた。
人数が減ったのは、この生活についていけないと逃げて行ったからとのこと。
洞窟の奥には貨幣が大量に入った箱のようなものはなく、かなり厳しい生活状況だったと推測される。だからこそ、村からは食料を奪っていたのであろう。
明るいこの場所で、洞窟の奥から持って来た荷物を確認していると、黒い石で出来た像らしきものが出て来たところでシャドウが飛びつく。
「これは俺たちが貰っていいか」
「あぁ、わけはまた別途聞くよ」
丘の裏側に馬が1頭隠されていたことを確認し、2〜3人ずつをその馬の背中に乗せて近くの街道まで順次運ぶ。そのあとは、街道なので後ろ手に結ばせていても何とか自分で歩くことができるので、そのまま村まで連行して行く。
「あぁ冒険者の皆様!コイツらです!」
その日は村に泊まらせて貰い、翌日は村から安く譲り受けた荷馬車に盗賊7人を積み込んで王都に向かう。来たときと違い荷馬車なので移動時間がかかるため、どうしても途中で野営をすることになる。食事がその前提のレベルに低下したので、ヨルクは盗賊達をにらんでいた。




