間引き終了
「しかし困りましたね。せっかく帰還パレードの花形になりそうなキングの死体。いかがでしょうか?譲っていただくことはできないでしょうか?」
中尉と言われたローブ男からの申し出、断ることができないとは分かりつつシミリートは交渉を行う。
「あの。希少部位だけは取り除いてお譲りするのでもよろしいでしょうか?外見には影響でない程度に」
「ん?なるほど。新鮮な間に切り取って食べられるのが良いでしょうな。またパレードが終われば全体をお返しする、借用という形ではいかがですか?」
「は、ありがとうございます!」
「こちらこそ」
ジーモントが巨大なハイオークキングの腹部からめぼしい部位のみ取り出した後は、魔術師団員が魔法の袋に収納していく。
「では、“選ばれた盟友”に別途追加報酬を魔術師団から支払うことは冒険者ギルドに申し伝えておく。またパレードが終わった後の死体も冒険者ギルドに預けておく」
「まともな会話ができる人が居て良かったわね」
「そうね。シミ、交渉、お疲れ様」
「そうだ。肉の確保、良くやった!」
ユリアンネは使い魔のことに興味は出たが、いったんは騎士団や魔術師団と揉めずに済んだことに安堵する。
その後の6人は、もうこれ以上は森の奥に進むことなくその辺りで発見できた魔物を討伐して折り返し日を迎え、侵攻して来た逆方向に戻る。復路は往路に比べて魔物の数は少なく余裕を持った行動が取れている。そのため、ユリアンネは適当に見つけた薬草の採取も行いながらの帰路になった。
用意された馬車で王都に戻った後は、騎士団達の凱旋パレードで、見覚えのあるハイオークキングを立てさせて間引き成果をアピールしている姿を見る。今回の一番の目玉は、あのAランク魔物だったようである。




