イニヒェンの村3
「静かにこっちに来い。そしてあれを見ろ」
村人がオークと遭遇した方向に“灼熱の冒険団”の6人が偵察へ向かっていたのだが、中でも斥候のヤネスが1人先行していたのに戻って来た。
「ということで、あっちの方向にはオークの集団、おそらく10体以上が居着いていそうな、村になりかけている場所を見つけた」
「流石ですね。ところでこの後はどうしましょう?」
「殲滅に向かうに決まっているだろう?」
「エカード、ちょっと待て。そこに殲滅に向かっている間に村が襲われたら困るだろう。それに他の方向にも居るかもしれないのを確認しなくて良いのか?」
「ヤネス、慎重なのは良いことでもあるが、ここは被害がいつ来るか分からないから、まず見つけた敵を殲滅するのが優先だろう?」
「まぁそれでも良いがな。留守番にはどの程度を残す?」
「殲滅を優先しよう。俺たちが出ている間については村人達でしのいで貰おう。万が一の時には、生木を燃やして狼煙を上げつつ、鍋などの金属を叩いて知らせて貰えば良いだろう」
偵察から戻って来た“灼熱の冒険団”が、“選ばれた盟友”を参集させて作戦会議となったのだが、当初の想定通りエカードがほぼ仕切って方向を決めていく。
シミリート達もそこまで反対するほどの内容では無いため、流れに任せている。
「じゃあ今のうちに仮眠をとるぞ。夜襲で今夜のうちにケリをつけるぞ!」
確かにオークも魔物とはいえ夜の生物ではないので、夜襲は有効とは思うが、既に夕方である現状での方針決定に驚くシミリート達。
エカードの仲間達はいつものことなのか、夜襲を選ぶこと自体を普通と思っているのか特に反対もされていない。
集会所を引き続き借り受け、村人達が用意してくれた温かい夕食をとった後は、皆それぞれ鎧などを着たまま仮眠をとる。




