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【書籍・漫画化】転生薬師は迷宮都市育ち  作者: かず@神戸トア
元薬学部受験生

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幼なじみ3

ユリアンネの崖から落ちた時の怪我は父ラルフの薬である程度回復したが、それでも念のために安静にするように、怪我からしばらく家のベッドで養生していた。

彼女にすると、前世の記憶を取り戻したことによる混乱、今世での記憶もあったのでそれとのすり合わせのために時間が貰えたのはありがたかった。


ただ、その期間、幼なじみ達にとっては不安な日である。見舞いに来ても何故かよそよそしい感じであったので余計である。

そのため、完全に回復してもなかなかユリアンネは自分から声掛けに行きにくかったのだが、彼女たちから来てくれたのは嬉しいものである。


「カミラ、ヨルク、ゾフィ、よく来てくれたわね。ありがとう!」

「おぅ、ユリ。またダンジョンに行ったらしいな。今度はどうだった?」

「ヨルク!」

「ゾフィ、大丈夫よ。今度は怪我もしないで帰って来られたわ。やっぱり本物の冒険者って凄いわね。ゴブリンたち魔物も簡単に倒してしまって」

「そうなのか?良いなぁ。うちは鍛冶職人だから、洞窟で鉱石を取りたいのだけど、薬草ほど簡単にはたくさん取れないらしいし」

「うちのガラスの材料の珪砂(けいしゃ)も、浅い階層には無いらしいのよね」

「ヨルクとカミラは、素材入手ももうしばらくガラクタ市ね」

「そうか、ゾフィは浅い階層、角兎(ホーンラビット)などの魔物でも練習にはなるわね」

「もちろん上達するにはもっと硬い皮にも慣れないといけないけれど、今の段階で数をこなすのはどんなのでも良いわね」


店舗ではなく住居スペースで、商品にも出しているハーブティーを提供しながら友人達との会話を久しぶりに楽しむ。


「また市に行こうね。そのうち自分たちの物も売り出してみたいわね」

「子供だけだと舐められそうね。ヨルクがドワーフらしくもう少しヒゲが生えれば大丈夫かな」

「おぅ、まかせておけ!」

「話すと子供っぽいから、座って構えるだけで、私たちが話した方が良いかもね」

「何だと!」

楽しい時間は早く過ぎていく。


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