再び巨大蜂の洞窟2
二日目の洞窟探索でも蜂蜜を入手することができず、口数が少なく乗合馬車でルードルフの街に帰って来た8人。
幾らかは巨大蜂の死体も収納袋に回収していたのと、それ以外に少し倒していた魔物の素材などを冒険者ギルドに納品する。
「なるほど、あの洞窟にたどり着いたのですね。いくらDランク魔物とはいえ、8人だけであの数を相手に良く無事に戻られましたね」
ギルドの受付からは慰めのような言葉を貰う。事前にお金、情報料を払っておけば、入口付近での魔物の生息状況、ダンジョン情報なども入手できていたということもその発言で認識できた。何事も経験と、調査もせずに行ってしまったことを反省する。
余計に気分が落ち込んでいたが、頼んでいた鎧を受け取ることで少し気分を回復して宿に戻る。
「お、帰って来たか!泊まりがけの成果はどうだった?」
先輩冒険者のソフィアンがこちらを見つけて声をかけてくる。
「あら、無事に帰って来たみたいだから良かったじゃない。ここのお風呂でしっかり疲れをとって夕食にいらっしゃい」
テルマがこちらの雰囲気を感じ取ってか、優しく言葉をかけてくれる。
最近、この先輩冒険者達のおかげもあり少し上位の魔物へ対応できていたので過信していたのだと振り返り、各々反省しながら入浴したり装備の整備をしたりして、明日からの再び西に向かう旅立ちに備える。
せっかくテルマが優しくしてくれていたのに、夕食では
「なんだ、蜂蜜もだが、蜂の子をとって来てくれたら良い酒の肴になったのに」
とからかわれて再びへこむ若者達であった。




