巨大蜂
ジーモントが調理した熊肉を昼食に食べた後はさらに森の奥に進む一行。人が歩いた気配もほぼなくなり下草がそのままの場所になってしばらくすると羽音が聞こえてくる。
「あれは!」
見つけたのは巨大蜂ジャイアントビーが1体だけであった。
「あれってしばらく追いかけたら巣に帰るかな?」
「本気で蜂の巣を狙うの?」
「流石に巣にはたくさんの蜂がいるから、鎧がない今はやめておいた方が」
「そういえば蜂蜜ってお肌にも良いらしいぞ」
何気なくのつもりであったシミリートの発言が行動を決定させてしまう。
「何をしているの!早く追いかけるわよ。でも静かにね!」
カミラとゾフィが主導するが、ユリアンネも蜂蜜の高い薬効に期待があり、どうせなら入手したいと考えて流れを止めない。意外なところでは、フェザーも兄シャドウに自己主張をしているようであった。
巨大蜂は人間なども襲う割に、魔物と思われるような大きな花をつけた植物の花の蜜も集めているようで、その生態を観察することになった一行。
その花の蜜を採取した後、進む方向を転換するので見つかったのかと緊張するが、どうも違ったようである。
「ようやく巣に戻るのかな?」
「それだけ敵が増えるかもしれないから気をつけるのよ」
元々見つかりにくいように、蜂の近くにはゾフィとカミラだけが後を追いかけていて、残りは少し離れた場所をついて来ていた。そのカミラが残りのメンバに指示をする。
そして巨大蜂の後をついていくと、小さな丘の洞窟のような穴に入って行くのが見える。
「どうやらあの奥に巣があるのかしら」
「もう少し様子を見てみようか」
洞窟の入り口がかろうじて見える場所で少し休憩しながら見張っていると別の巨大蜂と思われるものも洞窟の中に入っている。
「確定でしょうね」




