セルヴ大森林3
しばらく進んでもまともに魔物に遭遇しないため、昼食が念のために持参した携行食になるのかという不安が出てきた頃。
「静かに!」
ゾフィが見つけたという方向を見ると、3体の熊が5体の狼と戦っているのを見つける。
「ダンジョンでは階層ごとに出てくる魔物も決まっていたし、こんなのを見るのは初めてだな」
「確かに魔物同士の戦闘なんて」
「漁夫の利を目指す?」
熊も狼もどちらもDランク魔物であり、単純には狼の方が優位だろうか。双方が傷ついたところで割り込んだ方が楽と思える。
「あ、こっちに気付いたみたい」
「くそ!そうなると共闘してくるのか!」
せっかくなら共倒れの後にと甘い考えであったのだが、熊も狼も人間の血肉の方が嬉しいのかこちらに向かってくる。とはいうものの、Dランク魔物が8体、こちらの冒険者の数も8人でありランク的に上位の者も居るので、それほど苦労することはなく撃退できる。
「鎧が無いというのは、結構不安になるものだな」
「確かに、盾で防げるはずと頭では分かっているのだがな」
特に盾役であるジーモントとシミリートは話している。
魔石などを取り出した後は、毛皮を取るためゾフィが頑張って解体する横で、ジーモントが昼食の準備を行う。
「熊の手って美味しいんだろう?」
「あぁ、特に蜂の巣を狙って食べていた熊はそうらしいな。これはどうなんだろうな。本当は数日かけて調理するものだし」
ヨルクの期待に対して、ユリアンネが魔法で出した水を使って素材を洗い湯がいているジーモントが答えている。




