ルードルフの街2
ステルビア王国の2つの街ほどではないが、書店などの充実は無かったので、単なる買い食いが中心に散策していたユリアンネたち。旅の途中でも随時調合していたポーションの売却や、新しい薬草や薬瓶の調達、矢などの消耗品の調達なども行ってから宿に戻る。
「そうですか、革鎧の強化は明後日に完成でしたら、明日と明後日は休暇としましょう。メイユ付近での戦闘の後からステルビア王国への遠回りも連続でした。ここで一度休息をとりましょう」
宿で集合した際にクロリスが宣言する。その後は、冒険者ギルドで入手した情報の詳細を展開される。
「魔物発生の影響がこのルオルゾン領でも東部、フスハレの街付近までというのはなぜだったのでしょうか」
「そこまでは冒険者ギルドも分かっていないようでした。この街も魔の森の付近ということもあることから、代官は領兵をそれほど東部へ派遣していないようです。まぁ領都がさらに東側にあるから任せているのもあるのでしょう」
「この街中は、その魔物発生の影響はあまりなかったようですね。確かに通過するための旅人、商人は少ないようですが、それぐらいかと」
「ではこの後、王都シャトニーまではローニョレ領を越えて無事に行けそうですね」
安全な道で見知らぬ街を旅できるのであればそれに越したことはないと思うユリアンネ達。
久しぶりの宿のベッドでの睡眠であり、しっかり疲れをとった朝。
「ねぇ2日間もどうする?街は昨日のうちにある程度見てしまったし」
「そうねぇ。かといって全部見たわけではないから、もう少し散策を続ける?」
「なぁ魔の森に行かないか?荒野では肉らしいものが取れない魔物ばかりだったから」
「え?鎧は預けているから危ないぞ」
「魔の森でも入口程度ならばそんな危険でもないだろう?」
結局はヨルクの提案に従い、シャドウとフェザーの兄妹も含めた8人はセルヴ大森林に向かうことになった。




