メイユでの報告
最終的にはメイユに、誰も欠けることなく無事にたどり着く。ただし、少々の怪我は発生するので、引き続きシミリートを窓口にするカモフラージュでのユリアンネのポーション販売は人気であった。
そして各商会の代表と各冒険者パーティーのリーダー達がそろって冒険者ギルドに向かう。前回、東側からメイユに到着した時にオーク達のことを報告した相手であるギルド職員、フィデリオが今回も皆の話を聞いている。
「情報ありがとうございます。モンヴァルト山脈で魔物の異常発生、さらにはAやBランクの上位魔物であったとのこと、承知しました」
「なぁ、俺たち以外からの情報はどんな感じなんだい?」
「はい、そちらのシミリートさん達が東のコルバックからこちらに来る際に、街道沿いにてオーク多数と遭遇したことを聞いています。ただ、メイユから東側においてはそれ以上の話はありませんでした。また西側においても、ここまで上位の魔物の話は初めてになります」
「ということは?」
「はい、魔の森のあるメイユの北側、そして西側の山脈手前の森での魔物については、通常より強めの魔物が出た、量が増えているという話が寄せられていました。ただ魔物の発生量等は、ある程度は変動することを皆様もご存知の通りでして。一応、この街の代官様には報告していますが、何らかのアクションをとるほどではありませんでした」
「今回の話を踏まえると?」
「はい、ギルドマスターに相談した結果にはなりますが、代官様に改めて報告し領軍の手配を願い出るとともに、緊急の魔物調査及び討伐依頼等を皆様に発出することになると思います」
冒険者ギルドへの報告の後は、護衛依頼の精算や、道中で倒した魔物の素材の精算などを行った上で、解散となる。
引き返してきた者がこれだけ居ることなどから、先に宿の確保に行っていたジーモント達が合流してくる。シャドウたち兄妹も含めて8人がその宿に向かおうとしたところへ、クロリス会頭が声をかけてくる。




