モンヴァルト山脈の峠2
なかなか攻撃が地龍に通らずに混乱する冒険者達。
“選ばれた盟友”では、ユリアンネの≪氷刃≫という火魔法以外の攻撃手段があり、シミリートが盾も使いながら武技を用いて、ヨルクが戦斧で打撃を加えているため、他の冒険者達よりもマシな状況である。ただ、それでもカミラの片手剣やゾフィの短弓ではBランク亜龍の鱗に守られた身体にまともにダメージを与えられず、6人居ても1体のドレイクを倒せるか微妙なところである。
この集団で唯一の銀級冒険者で長剣の使い手のラインハートが率いる“黒鉄の秩序”の6人は流石であり、何とか1体のドレイクを倒しきり、ブレスを撒き散らして被害を拡大させている別のドレイクに当たりに行っている。
死者は何とか出さずに済んでいるものの被害が拡大する中、ラインハート達のおかげで時間をかければなんとか凌ぎ切れるかもと思ったのも束の間。この騒ぎで機嫌を損ねたのか、山の上の方から飛龍が降りて来て冒険者達にブレスを撒き散らそうとする。
蛇やトカゲのような細い体ではなく、クマなどのような立派な体格で前足の後ろ側に蝙蝠のような大きな翼がついている感じのワイバーン。実物を見る機会はドレイク以上に無い魔物である。
「そんな……」
「Aランク魔物だぞ、ワイバーンなんて」
特に鉄級冒険者が多いパーティーほど恐慌に落ち入る。商人達も同様であり、後方、東方面へ逃げ始める。
「確かにこのままではまずい。食料を中心とした馬車はおとりにおいて、逃げろ!」
銀級冒険者のラインハートも流石にワイバーンまで現れると勝ち切れるイメージが無い。少しでも被害を少なくするため、いかに逃げ切るかに思考を切り替える。
そのような中、西方面から大きな馬2頭にそれぞれ騎乗した男女が現れる。




