モンヴァルト山脈で移動再開2
山脈の東側、下半分の森を抜けた後なので、木々はなく見晴らしの良い土や岩だけの山肌の露出した裸山になっている。おかげで魔物などの襲撃には早くに気づける期待がある。
シャドウが従えている鷹、フィアも上空を飛んで警戒しているが、昼休憩までは危険な魔物に遭遇することもなく山を登ることができた。こちらが巨大な集団であり通常の魔物ならば襲撃してこないという安心感もある。
「ここまでは無事に来られましたね。そろそろ峠ですね」
山脈を越える際、山と山の間の低くなった場所につくられた峠道を通る。登ってきた東側を振り返ると、通ってきた足元の森、そしてそれとは比べ物にならない大きさの森、魔の森であるセルヴ大森林が左手の北側に広がるのが見える。足元の森の向こう側には草原が広がり、メイユの街なども見える。
「いよいよストローデ領とさよなら、だな」
「まぁね。トリアンの街以外は通っただけだから故郷の一部という感じはしないけれど、言葉にすると感傷的になるわね」
ユリアンネ達“選ばれた盟友”6人は、トリアンを出ることも初めてであったので、当然生まれ育ったストローデ領を出るのも初めてである。王都シャトニーのある王領との間には、目の前のルオルゾン領だけでなくローニョレ領を通過することになる。
山脈越えとはいえ、ここまでは馬車が通れる程度の道幅や傾斜である登り道であり、途中からはつづら折りの幾重にも曲がりくねって続く坂道であった。この峠は先程までよりは横幅もある道になる。舗装されているわけではないが、西側での下り道になるまでは平らであり、幅もあるので気持ち的にも楽な移動と思われる。




