メイユへの護衛再開2
別商隊と合流して西に少し進んだところで昼休憩をとる。
前日ほどではないが、シャドウの鷹フィアが狩った角兎も食材となり、昨夜のオークと合わせて肉がたくさんの食事となった。
「俺たちも荷馬車には食材をいっぱい積んでいたのに……」
「逃げるために食材の馬車を捨てて来たんだから仕方ないですよ。他の荷物は無事なんですから」
「そうは言っても、木材は単価がそれほどでは無いから、今回は大赤字だ……」
どうもメイユはその北にある魔の森、そして街の西側にそびえる山脈からの木材が名産であり、草原の中にあり木が少ないコルバックへ定期的に運搬しているらしい。
その日の午後、高く飛んでいた鷹のフィアが、街道の北に居る敵の存在を知らせてくる。
「このまま夜になり寝込みを襲われても困るな。馬に乗れる範囲で敵に打撃を与えに行かないか?」
「俺は昨夜の恨みを晴らすにも賛成だ!」
「俺たちはやめておくよ……」
アディーレの声に対して、合流した方の冒険者達はやる気だが、前夜の失敗を反省したままなのかヘンドリク達は留守番を希望する。万が一を踏まえて馬車付近にも人を残す必要があるため、二手に分かれることになった。
馬車を引いていた馬にも騎乗することにして、合流してきた冒険者の半数以上と、アディーレ、シミリート、ジーモント、ゾフィ、ユリアンネ、そしてシャドウとフェザーがオークの群れに攻撃をすることになった。
シャドウとフェザーは二人乗りのままで、両頬に真っ白な顔料を指で塗り始める。鼻の近くから耳に向けた線とその下に半円のようなマークである。
「それは何だい?」
「戦の準備」
仲良くなってきたシミリートがシャドウに聞くと簡単な返事を貰えた。遠くから見ると目の下にもう一つ目ができたみたいであり、呪術的な効果があるのか、気合を入れるためなのであろうか。




