魔の森の噂
コルバックの冒険者ギルドで、次の街メイユへの護衛依頼の募集状況の確認と合わせてメイユの情報を仕入れる。
「コルバックからメイユに行く途中から北側に非常に大きな森、セルヴ大森林が現れます。この森は王領まで続きます。噂はご存知と思いますが、魔物が溢れる森であり、魔の森とも言われています。メイユ自体はこのコルバックと同様に草原の中にありますが、北にはその森が広がっています」
「メイユまでの街道に、その魔の森からの魔物はやって来ますか?」
「いつもいつもではありませんが、遭遇しないと楽観的に考えるのが危険な程度には……」
「わかりました。他の冒険者パーティーも含めた大きな商隊の募集に応募することにします」
「かしこまりました。お若い皆さんには賢明なことかと」
「じゃあ、出発までは買い食いだな」
「ヨルクは武器屋も見てまわる必要があるでしょ?」
「ゾフィはお袋みたいなこと言うなよ」
「なんですって!」
幼馴染同士のじゃれつきのあった後は、ここでも男性陣と女性陣が分かれてそれぞれ目当ての店舗を視察に行く。
女性陣カミラ、ゾフィ、ユリアンネは工芸屋、皮革屋、服飾店、薬屋、ついでに書店も見かけたら覗いていく。ユリアンネは薬屋で薬草を仕入れるのと合わせて、工芸屋で一般的な薬瓶も仕入れて行く。
「今夜は調剤?」
「そうね、やっぱりポーションがあった方が安全だし、いざとなれば売って軍資金に出来るからね」
「手に職がある人、しかも稼げる技能がある人は良いわね。薬研も魔法の袋にしまって来たんでしょ?」
「あら、カミラも手先の器用さで小物を作って売れるじゃない。皮革屋は場所が必要になるから大変なのよ。まぁ鍛冶屋のヨルクほどではないけれどね」
「どんな職業も色々と大変よね。男性陣はどうせ買い食いばかりなんでしょうね」




