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蛙の声を聞く


 この先の不安は大きいが

 今年も蛙の鳴く声を聞いた

 幸せを感じることは

 人によって違うだろうが

 生きて蛙の声を聞けた

 とても幸せなことだ


 稲穂のくにとは言うけれど

 田んぼは減ってきていて

 蛙の声を聞くために

 しばらく自転車をこがなければならない

 そんなふうになってしまった

 それでも


 田んぼに風が吹いて

 稲がそよいで

 蛙が鳴いていて

 日が長い夕方の空が

 少しずつ暗くなって

 一つ二つと星が見える


 そんなことで

 無為で寂しい日々をもう少しだけ

 生きてゆける気がする

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