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東口
住んでいる市の名前を冠した駅
その東口は
かつて古い建物が並び
小さな広場に
何軒かの店があった
薬屋とコンビニが合わさったような店
一度だけ利用したCDショップは
瓦葺きの木造だった
今はなんだか近未来な建物の群
ただし街の表玄関は駅の反対側で
いつしか新しくもなくなった
キレイな街の通りには
行き交う人は少なく
今夜は強く
冬の風が吹いている
新しくなった街を歩く
もっとも
生まれた子どもが大人になるくらい
時は流れてしまったけれど
冬の夜の星は変わらずに
冴えざえと
よく見える




