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猫の階梯


 野良猫を見かけることが

 少なくなった

 良い面も悪い面もあるだろうが

 ただ

 見なくなった


 もうどれだけ前になるだろうか

 細い道を歩いていた

 塀の上から気配を感じた

 大きな大きな猫がいた


 視線を上げると

 塀の奥の家

 一階の屋根、窓の上のひさし

 そして二階の屋根

 野良猫たちが見下ろしていた


 あの時の猫たち

 鋭い目をしていた

 片眼のヤツもいた

 堂々としていた

 今はもう見なくなった


 可愛らしい猫が好き

 確かにそうだ

 車に轢かれたらかわいそう

 その通り

 その通りなんだけれど


 時々あの

 目付きの悪い

 むやみに大きな

 猫たちが懐かしくなる

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