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多分、さよなら


 懐かしい人に会う夢を

 久しぶりに見た

 夢だから

 詳しい理由も

 どんな状況かも

 なんなら見たはずの顔も

 はっきりとは思い出せない

 ただ、晴れた日の坂道を

 二人とも自転車で

 上と下とに分かれていった


 自分の若い頃を象徴する様な

 そんな人だった

 一言(ひとこと)二言(ふたこと)何か言葉を交わし

 別れ際に不意に

 言わなければと

 そう思って

 「多分、さよなら」と

 振り向いて言った


 去って行ったはずの

 あの人の姿は見つけられなくて

 伝えられなかったかなと

 そう思った時

 自転車で走り出す

 あの頃は長かった髪を

 短くそろえた

 後ろ姿が見えた


 目が覚めて窓から見える空は曇っていて

 道には朝方降っていた雪が残っていた

 夢で見たようには

 晴れていない

 それでも灰色の空を(じか)に見たくなって

 窓を開けた

 開けるまで見えていなかった

 細かい雪が降っていた

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