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敗者のランドマークタワー
何か、あるいは何処かを象徴する塔······という意味のものなので、地上にいくつかあるらしい固有名詞のそれらとは特に関わりはないです。
虚しい風が吹いている
生きてきた年月
敗れた夢や希望
そういったモノの残骸が
積もりに積もって
高い高い塔の様だ
寂しい雨が降っている
残骸の塔が煙っている
雨滴の重さで
少しずつ崩れて
崩れるそばからまた
砕けた望みが降り積もる
なぜまだ生きているのだろう
無為な生を
なぜ続けているのだろう
何かあるはずだと
あってくれよと思いながら
残骸の塔は高くなる
生きることは敗北に敗北を重ねる
そんなことでもある
意味がないことこそが意味
そうも言えるだろう
無為だと知りながら
高く積み上がる無為を生きよう




