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我ら、巨大生物特別攻撃隊!  作者: ひぐらしゆうき
二章 新たな翼
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十五話 猛毒の罠!新たな翼!(2)

作戦室に戻るとすぐに新型戦闘機スターライトの説明書を読むことにした。あまりにも分厚い説明書。とにかく重要度の高いところを見極めて読みこみ、さして重要ではない部分は軽く読んでおこう。


まずはじめに二ページまるまる使ってスターライトの全体図と基本スペックが書かれている。このスペックは先ほど格納庫で説明されているため読まなくてもいいだろう。僕はとばして次のページを開いた。今度はコックピット内の図と計器類の説明だ。どうやら新機能で追加された計器類以外はウィッシュスターと同じものが使われているらしい。スターライトを見たとき思ってはいたが、どうやら完全にウィッシュスターの上位互換のような機体のようだ。ならば新機能のオーバードライブモードと可変翼の説明を読むだけで問題なさそうだ。僕はどんどんページをとばして一気に可変翼操作とオーバードライブモードの説明を読み込むことにした。



じーっと集中して説明書を読んでいると急にサイレンが鳴った。僕はハッとなって顔を説明書から離した。


「緊急連絡!富士山麓の樹海に巨大生物が出現、既に被害者が出ているとの連絡があります。至急戦闘隊は出動願います」


「なっなんだとっ!富士山麓⁉︎」


隊長が驚きの声を上げた。


「なんて場所に現れるんだ!クソっ。攻撃隊!すぐに出るぞ!間宮、スターライトで出れるか?」


説明書は読み込んだ。スターライトに一人で搭乗しても問題ないはずだ!


「はい!いけます」


「よし!では行くぞ!」


「「了解!」」


僕たちは格納庫へと走った。



格納庫では既に発進準備が整えられていた。これからスターライトのそして僕一人が操縦しての初出動だ。

カタパルトが動き出す。僕は他の三機の後に続いて発進した!



樹海に到着した頃には蜘蛛型の巨大生物が樹海の木々を押し倒し、ただの荒地のようになってしまっていた。


『なんてこったよ…。樹海がこんなことになるなんて』


『山内、お前が登山好きで富士山をこよなく愛しているのは知っているが、今は鑑賞に浸っている場合ではないぞ。奴を倒すのが先決だ。行くぞ!』


副隊長の命令で僕たちは戦闘態勢をとり、巨大生物に向かって降下していく。

蜘蛛型巨大生物はこちらに気がつくと何やら口のあたりをもごもごと動かし始めた。

何かしてくる。そう感じた僕は可変翼操作端末に手をかけた。


かなり近づいたところで蜘蛛型巨大生物は口から緑に濁ったローションのような液体を噴出した。


『回避!』


僕は可変翼を動かして空気抵抗をあげ速度を落として機首をあげ、またも可変翼を動かし、今度は空気抵抗を減らして急発進、一気に上昇することで液体をかわした。


『なんなんだあの液体は?』


『恐らくは毒液だろう。奴は毒を吐く毒蜘蛛の巨大生物ということになる。見てみろ。奴の通った後に腐った木がたくさんある。どうやらかなり強力な毒のようだ』


となると長期戦はまずい。早く倒してしまわなければ大変だ!

その時だ。基地から通信が入った。


『若宮です。先程、蜘蛛型巨大生物のデータが届きました。コードネームはバーレン。半月ほど前にブラジルで同じ個体が出現しています。その時のデータによると、強力な毒液を毒袋に大量に持つため、的確に急所に攻撃を当てて、適切な処理をしなければ、何年も人の立ち入れない不毛地帯になってしまうとのことです。実際そのせいで出現地には今でも完全防備でも数分しかいられないほどだと言われています』


『そんな、そんな奴がなぜこんなところに?』


『それはよくわかりませんが、とにかく注意してください。たとえ害悪巨大生物ということになっているからと言って油断はしないように。クラスタースパイクやスパイクミサイルの使用は行わないように』


なんということだ。せっかく追加された新兵器が使えないとは…。というより、使う前に若宮隊員からの連絡があってよかった。


『わかった。若宮隊員報告感謝する。わかったな?ではいくぞ!』


『『了解!』』


毒袋を攻撃しないように攻撃。かなり難しいことではあるができないことはない。僕は操縦桿にあるレーザー発射スイッチに指をかけた。

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