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主人公は悪役令嬢と仲良くなりたい  作者: SST
10万pv記念 二部五章 愛してる
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年末のあれこれ その1

「お姉さま、起きてくださいってば!!」

「んー。もう5リシア…。」

「何で私が単位になってるんですかね…。」


布団で丸まって起きようとしない奴を必死にたたき起こす。

今日は午前中に買い出しを済ませて、午後からは大掃除をする予定なのだ。

ここでお姉さまにガッツリ寝られると、1日の予定が狂う。


「もう、起きないならお布団ひっぺがしますよ!」

「そんなことされたら、寒くて死んでしまう…。」

「なら起きてくださいよ!」


普段ならお姉さまが起きてくる間にトーストを焼くなり顔を洗うなりして待っていれば起きてくるのだが…今日はそれでも起きてこず今だ。


「おーきーてーくーだーさーいー!」

「後もう少し…。」


私は一生懸命布団を引っ張って剥がそうとするが、びくともしない。

みっちり布団を巻き込んで丸まっている。

これは攻め方を変えるしかないな。


「せっかくお姉さまの為に朝食にパンを焼いたのに…」


お姉さまの耳がピンとそばだつのがわかる。


「温かいうちに食べて欲しいのに…悲しいです。」


別にトーストなんて冷めても食べれるし、そんなに大差ない。

なのでぶっちゃけどうでもいいのだが…。

あえて悲しいフリをして、少しぐすんとしてみる。

すると、たちまちお姉さまはがばりと起きあがる。


「起きた!朝ご飯を食べよう!な!」

「とりあえず服着てください。」


全く世話が焼ける。


◆ ◇ ◆ ◇


「はーいお姉さま、カートお願いします。」

「うむ、任された。」


私はとりあえずお姉さまに初手でカートを持たせる。

ちなみに、入り口で妙ちくりんなフルーツを見かけて駆けだしたお姉さまをすでに一度捕獲している。


「今日は何を買うつもりだ?」

「大掃除のための掃除系もろもろと、後食料品ですね。お節を作ろうと思っているので、そういう系統も。」

「お節?良いなあ!」

「もちろん、お姉さまにも手伝ってもらいますよ。」


とりあえず、洗剤とか重い物も買おう。

ここには米3袋でも軽く片手で抱えそうな天下無双の怪力がいるのだ。

なんと心強いことか。


「お風呂掃除と、キッチン掃除と、トイレ掃除と…窓拭いて、こたつ布団はさっきランドリーに出しましたから、後何かありますかね。」

「フローリング。」

「ああそうだそうだ。床磨きも買わないと。ワックスはします?」

「そこまではしなくていいんじゃないかな?」


「洗濯槽クリーナーってのがあったぞ?」

「良いですね、洗濯機も掃除しちゃいますか。」

「なら排水溝もぬめり取りしちゃおうか。」

「流し込むだけですもんねえ。」


「よくよく思えば、洗面台も掃除したいですね。」

「ああ、ちょっと汚れてきた気がするな。でもキッチン掃除の道具と一緒で良いんじゃないか?」

「えーでも、キッチンはシンクで洗面台は陶器系じゃないですか。大丈夫なんですかね?」

「裏の説明にはいけるって書いてるぞ?」


「カーテンって、どうやって掃除するんだろう?」

「コロコロとかですかね?確かに私が入居したときにあったものそのままですし、気になりますね。」

「そもそもレースタイプのものなのも気にかかる。外から見えないような遮光タイプの方に買い換えないか?」

「良いと思いますが、それはちょっと趣旨からずれるんで、また今度ですかねえ…。」


二人で相談しながら空間を作っていく作業はとても良い。

私は好きだ。

今日の大掃除、頑張っちゃいますかね!




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