表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公は悪役令嬢と仲良くなりたい  作者: SST
10万pv記念 二部五章 愛してる
253/321

送って迎えて

「お昼ご飯は作り置きが冷蔵庫に入ってるので、それ食べてください。まだ火を扱うのは怖いので、何かあったらレンジ使ってくださいね。」 

「んー…」

「ああもうこぼしてるこぼしてる。」


朝。大学に向かうために起きて支度を始めると、あまり寝起きが良くなさそうなお姉さまがのそのそと起きてきた。

スパッと目覚める時もあるのに、目覚めが悪いときは極端に悪い。

まだ寝てて良いですよ、好きな時間に起きてくださいと言ったのだが…


「もう、口からパンと魂が出掛かってますって!」

「んー?」


何故か結局一緒に起きて来て朝食を共にしている。

私は楽しいから良いのだが、お姉さまはちょっと可哀想。


「帰ってくるの…何時だ…?」

「大学終わったらそのままバイトなので22時くらいかと。」

「解った…」

「晩御飯は何か頼んで食べておいてください。明日からは何か作っておきますので。」


その後も支度をして回っていると、眠そうなお姉さまがてとてととのんびり後ろをついてくる。

まだ歩くのが完璧じゃないので転びそうで不安になる。


「それじゃ行きますけど、もし転んだとか何かあったら連絡してくださいね。」

「わかった。いってらっしゃい。」


お姉さまは目をこすりこすり玄関に立ちながら、軽く私にキスして手を振る。


「では。」


私はドアを閉める。

ドアを背にしながら小さくつぶやく。


「何アレ…可愛すぎて無理…。」


…なんて家を出てきたのは朝のこと。

全てのタスクを終えてスーパーで晩御飯を買って帰る。

お姉さまに早く会いたいな。

もうお姉さま恋しくなっている。


「ただいまー。」


ドアを開け声を掛ける。

なんか帰りを待ってくれてる人が居るのって楽しい。


「おかえり。」


お姉さまはすぐに玄関に顔を出す。

なんだかお姉さまも嬉しそうだ。

お姉さまと話しながら晩御飯をいただこう。

靴を脱いで上がろうとすると――


「ん。」


玄関の上がりがまちに座り込んで手を広げる。

これって、昨日の。


「ただいまのキスはリシアからして?」


何これ可愛い。

可愛いの権化か。

私はお姉さまにキスをすると、お姉さまは私をぎゅっと抱き留めてキスをされるがままになっている。

そうして少しの間キスをしていた私は口を離す。


「…なんだかお姉さまちょっと汗臭いですね。」

「ああ、さっきまでトレーニングしてたから。」

「もうですか?あまり無理は…」

「リシアが私の腹筋好きなのは知ってるから。早く元の形に戻したくて。」


はーもう可愛い。

何でそんなことが言えるのだこの人は。

可愛くてたまらなくなるだろう。

もう一度キスをしようとすると、お姉さまに制される。


「…リシアこそ、なんか違う女の子のにおいがする気がするんだが?」

「あー、生徒の子じゃないですかね。変に懐かれてくっつかれちゃって。」

「…そうか。」


お姉さまは真剣な目つきでこちらを見て――

ぐっと腰を引き寄せられる。


「きゃっ、お姉さま?」


そのままお姉さまはゆっくり仰向けになり、私はそれに引っ張られて上に覆い被さる形になる。

そしてそのままお姉さまは転がって、上下反対になる。


「浮気はダメだぞ?」

「浮気じゃ…ひゃん!」


鎖骨のあたりにキスをされ、そのままゆっくり顔に上っていくように色んなところにキスをされてゆく。

されるたびに頭がしびれて、とろんとする。だが体は逆に力が入る。

どれほど長い時間が経ったか、お姉さまが私の口を貪るようにしたあと、少し落ち着く、


「浮気はダメだからな…?」

「はぁい…。」


こんなことされると浮気したくなる気もする。

回らない頭と動かない体で横になってぼけっとしながらそんなことを思っている。

お姉さまは何かに気づいた顔をして、私の上を降りる。


「なぁ、リシア。」

「はい?」

「このストッキング、ちょうだい…?」

「はい!?」


お姉さまは私の足のストッキングをゆっくり優しく脱がそうとする。


「待って待って待って!どうしてそう?」

「欲しいなぁ。」

「ダメです。ダメですったら。」

「私に何でもくれるって言ったじゃないか?」


そうして居る間にもお姉さまはつつと私のストッキングを脱がしてゆく。


「新しいの!新しいのあげますから!」

「ダメ。」

「秋とは言え1日使ったらさすがに蒸れてますから!ダメですって!」

「それがいいんだ。」

「変態!!」


私はお姉さまに脱がされまいと必死にストッキングに手を掛ける。

この際破れても良いから絶対に守り抜く――


「あっ…」


その抑えた手にお姉さまはキスする。

驚いてびくっとなった私に追い打ちをかけるように、そのままキスを脱がそうとしていた太股のあたりに落とす。


「ひゃぁ…ダメ…ですってぇ…」


私は涙ぐましく抵抗するが、少しストッキングを下げてはそこにキスをされると力も入らずただされるがままになる。

それでも意地を振り絞ってストッキングの端を握りしめると――


「私のこのシャツと交換しよう。どう?」

「えっ…」


そのお姉さまの汗のにおいがするシャツですか?

それは…ちょっと…欲しいけど…


「今日一日会えなくて寂しかったなあー!今後はせめてリシアを感じられるものが欲しいなぁー?」

「それストッキングじゃなくて良くないですか!?」

「ストッキングじゃないとダメ。」

「あげませんってばぁー!」


こうしてストッキングを巡る玄関先での攻防は30分程度続いた。

ストッキングがどうなったかは…察して欲しい。







麗香「リシアのにおいがする…」

□□「せめて本人の目の前で嗅ぐのは止めてください…」




麗香さん(レベッカも)が寝起きがやたらと悪いことがあるのは、何かしらで疲れててなおかつリシアがすぐ横で寝ているとき限定です。

もともと眠りが浅く寝ているときのこともかなり把握している麗香レベッカですが、リシアがすぐ横で寝ているときは安心感が強くいつもより深く眠りがちで目覚めるのにも苦労します。

今回は大怪我の後で体が全体的に休息を必要としてるので、□□と一緒に寝ている間は目覚めがかなり悪いと思います。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ