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主人公は悪役令嬢と仲良くなりたい  作者: SST
10万pv記念 二部三章 恋とは
227/321

前準備

初めて二人が出会った当時、□□は自分のことを19歳と紹介していますが、ごめんなさい、設定ミスです。(現在は修正済み)

大学一年生の時自分がいくつだったかというのを完全に失念しており、このままだと大学二年生の麗香と同年代かもしくは誕生日済みになってしまいますね。


特に紹介する機会もなかったのですが、ここで二人のプロフィール設定を紹介しておきます。


橘 麗香 182cm 20歳(4月2日生)


麗香はレベッカを二つに分けた片割れなので同じ身長になるはずが、現代日本の栄養状況からちょっぴり大きくなっています。

正確には4月1日に神の手によってポンと乳幼児の形で転送されてるのですが、翌日にたちばな園という施設に発見され引き取られているため、その日が誕生日となっています。

基本はレベッカの見た目そのままで相変わらずの絶壁ですが、少し大きくなったのと『剣戟の先に』の命少ないレベッカとの印象の違いで同一人物というほどではなくなっています。


西条 □□ 154cm 18歳(9月13日生)


京都のええとこのお嬢さんなので、誕生日も仲秋の名月くらいのころがはんなりしてて良いなと。

リシアのプロフィールはあくまでリシア・エヴァンスのものなので、完全別設定です。

何がとは言いませんが、リシアに比べれば控えめサイズになっています。



「紫杏。龍斗。今日集まってもらったのは他でもない。」


私は紫杏と龍斗、二人の顔を交互に見る。

龍斗は面倒くさそうに、紫杏はいつも通りの穏やかな顔でこちらを見る。


「紫杏よぉ…俺、帰って良いかな…。」

「まぁまぁ、龍ちゃん。そう言わずに。」

「こいつの直々の相談に乗ってほしいの呼び出しなんぞ、10割10分100厘ろくでもねえぞ?」

「龍斗。」

「あん?なんだよ?」


私は龍斗の目を見て言う。


「10割10分100厘は12割だ。」

「解ってオーバーに言ってんだよ!」

「こちらも解って言っている。」


あえてふふんと龍斗に煽るようなことを言ってみる。

お、ビキビキ来てるな?もっと怒れ。


「はいはい、落ち着いて。麗ちゃん、話はなぁに?」

「おっとそうだった。」


龍斗を煽るのが楽しくて思わず横道にそれてしまった。


「実は、□□の誕生日が近い。」

「それがどうしたよ?」

「…どう祝おうか、悩んでいてな。」

「普通にお誕生日デートってロマンチックなところに連れて行ってあげればいいんじゃない?」

「だが、□□は私が誕生日を知らないと思っているんだ。」

「どうして?」

「今まで一度も誕生日を聞いたことがないからだ。」


今までに会話に出てきたことがなかった。

まだ18歳ということは知っているが、それより先の話をしたことがない。


「何かやべえ気がするんだが…一応聞いとくぜ?どうしてじゃあ麗香は知ってんだよ?」

「さて、それでなんだが…」

「おい!答えろよ!こえーだろ!」


実際、リシアのSNSを辿ってプロフィールから誕生日を見つけただけなのだが。

まぁ、とりあえず黙っておこう。


「だから、急に誕生日デートしようというのも変な話かなと…。」

「でも、だからサプライズと言うわけにもいかないじゃない?」

「そう、なんだが…」

「素直に理由を説明して、誕生日デートに誘えば良いんじゃねえか?」


やはりそうなるか。

サプライズにするにしてもどうして知っている?の部分は避けられない。


「SNSで知った、って変だろうか…?」

「そうでもないんじゃない?普通でしょう。」

「…案外まともな理由にホッとしてるよ、俺は。」

「で、あれば話しても問題ないかな…?」


我ながらリシアに関してはやり過ぎる節があるのは自覚している。

もし引かれるようなことならどう言い訳したものかと考えていたのだ。


「どういうデートにするつもりなの?」

「おい、紫杏。それより先に聞かなきゃいけないことがある。」

「何?龍ちゃん。」

「お前、何プレゼントするつもりなんだ?…まさか、婚約指輪とか言うなよ…?」

「ああ、龍ちゃん。ナイス質問ね。麗ちゃんやりすぎるから。」


なるほど。プレゼントか。

確かに、これもあまり張り切りすぎると引かれる可能性のあるところだ。


「さすがにそれはない。ピアスをまだ開けたことがない□□に、ファーストピアスとセカンドピアスをプレゼントしようかと思っているのだが…。」

「んー、どうなんだろうな、紫杏?」

「どれくらいのものをプレゼントするかにもよるし…後、ピアスホール開けてないなら難しいところよね…。その子が開けたいか…。」

「まぁ好きな奴目線からするとプレゼントしたくなるのも解らんでもないがなぁ。」

「イヤリングじゃダメなの?穴を開けない奴。」


イヤリングか。それも良いんだが…。

やはり。 


「ふふ、龍ちゃんと一緒ねえ。麗ちゃんも。」

「お、おい、紫杏。」

「私もねえ、しぃ、俺に開けさせてくれないかーって。同じでちょっと面白くなっちゃった。」

「そうだったのか…こいつと同じと言われるのは不本意だが…。」

「俺だっててめえと同じは不本意だよ。」


紫杏はくすくす笑う。


「まぁ、麗ちゃんが□□ちゃんにとって初めての恋人になるんだったら良いんじゃない?でも、まだお付き合いしてないわよね?」

「あ、ああ…。」

「お誕生日でお付き合いも一緒にって言うならそれも良いけれど。そうじゃないのなら今回は別のものにしといた方がいいかもね?」

「そう言う系で行くなら化粧品とか香水とか良いんじゃねえ。今の関係性なら。」

「無難なところよねえ。」


どうやら二人とも少し反対の立場のようだ。

とはいえ、言いたいこともすべて理解できる。


「そう…だな。そうしようか。」

「麗ちゃん、お誕生日に押すって手もあるのよ?」

「それはしたくない。リシアの気持ちを急かすようなことはしないと決めている。」

「そう言うとき、背を押してほしいって人間も一定数いると思うんだがな。」


それでもたぶん、それは今ではない。

…私が弱いだけかもしれないが。


「で、結局お誕生日デートはどうするのよ?」

「ああ、それなんだが…」


私は計画を話しながら二人に随時修正してもらった。






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