レベッカルート・エンディング
目を覚ます。
あれは夢だったのだろうか?わからない。
でもどうやら、戻ってこれたようだ。
「リシア様!?」
シンシア様が信じられない物を見たような顔でこっちを見ている。
あ、持ってたお花を取り落とした。
「シンシア様、来てくれていたんですね!」
「え、え、ええ!?カイト様!アランさん!!レベッカ様!!!!」
シンシア様は慌てふためきながら様々な人を呼ぶ。
シンシア様が慌てている様子はレアなので見ていて面白い。
「なんだシンシア、今エドワードの野郎を…はぁ!?」
「り、リシア様ですか…?」
みんな普段見れないような表情をしている。
ドッキリってこんな気持ちなのだろうか。ドッキリレベルじゃ済まないけど。
「死後の世界で神様と会ったんですけど、聖女の務めを果たしてこいと追い返されちゃいました。」
私はなるたけ何事もなかったようにそう話す。
「え、ええ…」
「そうだ、傷は!?リシア様、少し胸を拝見しても!?」
「ええ、構いませんよ、シンシア様。」
シンシア様が破れた服の隙間からのぞき込む。
「信じられない…傷跡はあるけど、傷は全部癒えてます…。」
「マジでそんなことあるのか?」
みんなワイワイ話し合っている。死んだと思った人間が生き返ったら収集つかないか…
「そうだ!レベッカ様を!」
「ああ、起こしてくる!」
「私はリシア様の傷跡を詳しく調べますから、一旦男の人はお引き取りを!レベッカ様だけ入ってもらってください!」
お姉さまは寝ていたのか。
ずっと寝てないみたいだったから、そりゃ寝ちゃうよね。
◆ ◇ ◆ ◇
私は上半身裸になり、シンシア様に体をチェックしてもらう。
やはり刺さったところは傷跡こそ大きく残っているものの、完全に治癒しているようだ。
そうこうしていると、隣の部屋からドタドタした音が聞こえてくる。
この音は。
「リシア!!」
「お姉さま!!」
お姉さまが部屋に飛び込んでくる。
私は思わずお姉さまに抱きつく。
「リシア、本当にリシアなんだな。」
「ええ、本当にリシアです!」
そう返した瞬間、お姉さまの目から涙がどっと溢れる。
「わ、わだし、リシアの死が…受け入れられなくて…」
「うんうん、そうですよね。でも生きてますよ?」
「夢でも…みでるのが…?」
「残念、現実です!嬉しいですか?」
「もう…どこにもいかないでくれ…」
「…はい、もちろん。お姉さまもですよ?」
こうして私たちは二人一緒に剣戟の先にたどり着いたのだった。




