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主人公は悪役令嬢と仲良くなりたい  作者: SST
第六章 次こそ君を
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断章・その日の朝

予約投稿の設定をミスって昨日の21時分と本日の12時分が抜けておりました…ごめんなさい

いつもより少し遅い朝。私は目覚める。

隣を見ると、頭の先から布団にくるまったデカい何かがある。背が高いので足は出ているけど。


「お姉さま、おはようございます。」


布団にくるまった何かは返事をしない。

可愛いなあ、もう。


「レベッカお姉さま。返事してくれないと寂しいですよ?」

「おはよう。」


布団の中、くぐもった声で返答がある。

顔はイヤでも隠すつもりか。気になるなあ。


「お加減は如何ですか?」

「…知らない。」


少し拗ねたような返事が帰ってくる。

さて、中身はどうなってるのかな。照れた顔かな。喜びが隠せない顔かな。はたまた混乱した顔か。


「…なぁ、リシア。」

「はい?」


お姉さまが躊躇うように私に呼びかける。

さて、何が出てくるのか。


「その、こういうのって、初めてじゃなかったりするか?」

「え?」

「いや、えっと、その。何だか、手慣れてるようで。」


ああもう、この人はどうしてこう可愛いのか。

一度外れたタガは戻らないかもしれない。


「ふふ、初めてでなければ、どうします?」

「…少し寂しいなって、思っただけだ。」


布団の中で、お姉さまが拗ねたような寂しげな表情をしているのが容易に想像できる。

もう、意地悪しませんから。

私は布団の上からお姉さまに軽く覆い被さりながら、おそらく耳元であろう場所で囁きかける。


「もちろん、初めてですよ。何度もイメージトレーニングはしましたけど。」

「…そうか。」


声に少し喜色が混じる。

可愛い、ただひたすら可愛い。

嬉しそうなその雰囲気がもうたまらない。


「そして、これからが二回目です。」


薄皮を剥くようにお姉さまを包む布団を剥いでいく。


「リシア、もう朝だ…!」

「たまには、もう少しお寝坊しましょうか。」


布団を剥ぐと出てきたお姉さまは、顔から火が出そうになりそうなくらい真っ赤になって、必死に手で顔を隠している。


「レベッカお姉さまの綺麗で素敵なそのお顔を見せてください?」


私はお姉さまに重なり、耳を甘噛みしながらそう囁いた。

白くきめ細かい肌に残る、昨夜の痕をなぞっていくように、口づけを重ねていく。


その日の朝は、今までの人生で一番遅い、甘くとろけた朝だった。

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