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インスパイアされた作品

黒い悪魔は二度笑う

作者: オリンポス
掲載日:2021/12/30

レ・ミゼラブルに影響されて書きました。

 私は無実の罪で投獄された。

 いわゆる冤罪というやつだ。

 その当時は、法の規制も緩かったから、濡れ衣を着せられる人も少なくなかった。

 私もその被害者のひとりだったというわけだ。


 弁護人を雇うと金がかかる。

 だから裁判では国選弁護人を雇うつもりだった。

 しかしそのための条件が厳しかったため、結局は私選弁護人を立てて、法廷で争うことになった。


 第一審の判決では有罪となり、私は迷わず控訴を求めた。

 第二審の判決でも有罪となり、すがる思いで訴訟手続きをした。

 日本の司法制度は三審制だ。最高裁判所の決定がくつがえることはない。


 最後の審判は、有罪判決をくだした。

 私はもうこの世に神などいないことを知った。


 法廷で争ったせいもあるが、私が出所する頃には白髪になっていた。

 ずいぶんと長い時間を、せまく薄暗い牢屋の中で過ごした。

 青春と朱夏は戻ってこないが、まだ白秋と玄冬が残っている。


 外の空気は新鮮で毒気がなかった。

 解放感から大きく伸びをする。


「長年の懲役、お疲れ様でした」

 新人の刑務官が笑顔であいさつに来る。

「おう、頑張れよ!」

 私が去ろうとすると、刑務所での労働代金を渡された。


「今後の生活の足しにしてください」

「わかった。ありがとう」

 分厚い封筒だった。

 中身が気になった私は角を曲がったところで金額を確認する。

 それは社会復帰に十分なものだった。

 私は涙を流して喜んだ。


 この時代の物価が、ひどく値上がりしていることも知らずに。

ジャン・バルジャンのように、頑張るじゃん!

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― 新着の感想 ―
[良い点] なるほど! これはおもしろいですね! ブラックジョークですねぇ汗汗
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